それゆけ忍者
【自作小説】幸運をまねく奇跡の仔犬と忍者のヒューマン物語
第一章 その7
 三人は簡単な打ち合わせをして、来週の日曜日のオークションは午前十時から開催。「わんランド感謝オークション」として、三十万円からスタートすることにした。
 そして、店長はスタッフにオークションの案内ポスター制作を一時間以内に仕上げるよう指示した。ポスターが完成するまで、ミニチュアダックスAZの仔犬の販売は「わんランド感謝オークション」で、行うことを店内放送した。
「オークションか……おもしろそうだ」
「三十万円のスタートは安いな」
「えっ、三十万円から、やっぱり高いなぁ……」など、
 放送を聴いたお客さんの反応はさまざまだった。しかし、これで本当に珍しいミニチュアダックスAZの仔犬を買いたいと思っているお客さんに絞れる。
 店内ではオークションと知って、もう仔犬の購入を諦めて帰るお客さんも現れた。しかし、いつまでも仔犬を眺めている人もいた。そのなかでひとりの上品な白髪の婦人が、じっと仔犬を眺めて幸せそうに微笑んでいるのが印象的だった。
 江美はこの仔犬を大切にしてくれる人に買ってもらいたいと願っていた。できれば購入してからも、しつけを通して仔犬と関わっていたいと思っていた。
 オークションなら本当にこの仔犬がほしい人に購入してもらえるわけだが、ほしくてもお金に余裕がなくオークションに参加しても落札できない人もいる。
 しかし、珍しいミニチュアダックスAZの仔犬は一匹だけだが、その他にも普通のミニチュアダックスの仔犬だと十万円くらいで購入できる。だから、お客さんに自由な選択をしてもらったらいいことだと、商売として割り切って考えるようにしていた。
 店長の依頼通り一時間後ポスターは完成した。急いで店頭、入口付近、仔犬の柵の近く、そして二階と三階にも貼り出した。
 このわんランドは、「笑顔」「親切」「丁寧」「迅速」をモットーに営業していた。江美や店長をはじめスタッフ全員がこのモットーをきっちり実践していたので、オープンしてわずか一年で、たくさんのお客さんから信頼されていた。
 店長は来週の日曜日に開催される「わんランド感謝オークション」の企画を具体的に練り始めた。できるだけ楽しくお客さんに満足してもらえる内容にしてほしいとの、江美の強い要望に応えようと真剣に考えた。

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