それゆけ忍者
【自作小説】幸運をまねく奇跡の仔犬と忍者のヒューマン物語
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第五章 その2
 沙也加はしばらく考えてから、
「キャバクラのお店をテレビで観たことあるんだけど、ホステスはお客さんに毎日五十通くらいメール交換しているらしいよ。それから、お客さんに口説かれることも多いそうだよ。私はとてもじゃないけどできないよ」
「沙也加、それは人気のあるホステスの話だよね」
「そうだけど、働いたらそれくらいしないと続かないのと違う?」
「そうね、沙也加が借金を返すまで二〜三年はかかるよね……」
 祐子は深刻な顔になった。
「でも……カラダを売ることならできると思うの」
「えっ、沙也加。大胆なこと言うわね」
「それだったら、あんまり会話しないでサービスだけしてたらいいじゃない」
「確かに、そうだけど……」
「それに私、セックスなら自信あるよ」
「沙也加はエロかわいいところあるけど、そんなに自信あるの?」
「うん。短大の時、付き合っていた彼のためにエロ雑誌でいろいろ勉強したの。そしたら、彼から床上手だって誉められたのよ」
「へえー、沙也加は床上手なの……」
 祐子は素直に感心しながら呟いた。
「だって、自分の力で大切なお母さんとおばあちゃんを安心させてあげたいの。今ならまだ若いしカラダを武器にできるんじゃない。借金済んだら普通の仕事に戻ったらいいことだし」
 女性が本気になって腹をくくれば男性より遥に大胆かも知れない。
 そんな沙也加を見つめながら祐子は、
「沙也加ほんとにそう思ってるの?」
「ええ、今の私にできることは、これしかないと思っているの」
 沙也加は大きな瞳を輝かせて答えた。
 そして、祐子に訊ねた。
「ねえ、カラダを武器にしてどこか安心して働けるところないかしら?」
「えっ、それは沙也加の方が詳しいんじゃないの?」
「スポーツ新聞に風俗の求人広告載っているの見たけど、なんかちゃらちゃらしてピンとこないのよね」
 沙也加は昔の吉原のようなきらびやかな遊女のイメージが頭の隅に残っていた。
 祐子はしばらく考えてから、
「私、会社の先輩に聞いた話なんだけど、飛田遊廓に若くてかわいい女の子が一杯いるって……」
「えっ、飛田遊廓。あの新世界の近くにある遊廓?」

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