それゆけ忍者
【自作小説】幸運をまねく奇跡の仔犬と忍者のヒューマン物語
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第四章 その13
「そうよ、ものすごく平和を愛してるわよ。平和を願うからこそ厳しい忍法の修業をして、正義のために悪を懲らしめているのよ」
「だから、江美ちゃんは怖いけど優しいところもあるんですね」
「怖いけど優しいところもって、どういう意味なの杉田店長?」
 江美は店長を睨みつけて言った。すると店長は頭を掻きながら優しいけど怖いところもあると言い直した。
「そうよ、本心はすごく優しいのよ。でも悪に対しては徹底して厳しく立ち向かっているだけよ」
 とキッパリ言った。
 そして店長の目を見つめてこぼれるような笑顔で、
「えねーわかるでしょう、杉田店長」
 今度は誘惑するような甘えた声でささやいた。
 店長はそんなおちゃめな江美が大好きだった。しかし、会社の社長の一人娘とあって正直な自分の気持ちを表現するのは遠慮していた。
「そうだ、江美さん。わたし鈴木君から付き合ってくれって告白されたの」
「えっ! で、里香ちゃんは何て答えたの?」
「もちろんOKしたわ」
 里香はこぼれるような笑顔で応えた。
「良かったわね。ウチなんか、おもしろい中村君から冗談みたいにデートしょうって言われるだけだから、どこまで真剣なんだかちっともわからないわ」
「へえー、二人とも恋が始まったのか……羨ましいな」
 と店長が呟いた。
 すると、江美は店長を見て、
「杉田店長も恋している人いるんでしょう?」
「まぁ……いないこともないですが……片思いですから……」
「へえー、片思いなの。じれったいわね……早く告白しなさいよ」
 江美がからかいながら言うと、店長は年甲斐もなく下を向いてしまった。
 三人はしばらくこんな感じで雑談していると、あっという間に午後十一時になった。
 テレビでは長いコマーシャルのあとニュースが始まった。最初に仔犬の誘拐事件を放送された。女性のアナウンサーは誘拐されたミニチュアダックスAZの誘拐犯人は大阪の新世界で逮捕された。犯人はソフト開発会社の元社長の城田幸雄・五十三歳、大沢さんに恨みをい抱いていたと思われます。しかし、誘拐された仔犬のラッキーは逃げて行方不明になったそうです。
 ラッキーに心当たりのある方は最寄りの警察まで通報してください……。最後に、ラッキーの特徴が説明されると画面にラッキーの写真が映った。
 その頃、ラッキーを助けた沙也加は、遊廓の二階の部屋でお客さんに抱かれ激しい恍惚の坩堝のなかにいた。
 一階にいたおかみさんは売上の集計でそろばんを忙しくはじいていた。
 午前十二時前、沙也加は忙しい仕事を終えると疲れ切った体を引きづり、仔犬を連れてタクシーで大国町の自宅へ帰った。

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