それゆけ忍者
【自作小説】幸運をまねく奇跡の仔犬と忍者のヒューマン物語
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第四章 その12
 そして、真っ赤にした目を見開いて、
「江美さん、里香さん、ご迷惑をおかけして本当に申し訳ございません」
「迷惑だなんて、とんでもないです。このような事件もアフターサービスだと思って取り組んでいますから、ご心配はご無用にしてください」
「本当に何から何まで、ありがとうございます」
「奥さま、じゃあこれで失礼いたします。何かありましたらすぐ電話してください」
 江美はそう言って大沢邸を跡にした。
 午後十時前、江美たちはわんランドへ戻ると、店長はテレビを観ながら待ってくれていた。
「お疲れ様でした。江美ちゃん、早朝から本当にご苦労さまでした」
「あーあ、久しぶりによく働いたから疲れたわ」
 江美はそう言いながらソファーに腰を落とした。
「杉田店長も遅くまでご苦労さまです。ところでニュースは?」
「おそらく午後十一時のニュースで流してくれると思うんですが……」
 給湯室から里香はコーヒーを持って来て、
「はい、お疲れ様でした」
 と言いながら笑顔でテーブルに置いた。
「ありがとう。里香ちゃんも疲れたでしょう、もう帰っていいわよ」
 江美はコーヒーにミルクを注ぎスプーンで混ぜながら言った。
「はい、でも心配だからもう少しいます」
 そう言いながら里香はゆっくりソファーに腰を降ろした。
「江美さん、鈴木君に聴いたんですけど、誘拐犯の城田を捕まえる時、めちゃすごかったんですね」
「えっ、何を聴いたの?」
「江美さんの姿はまるで漫画の忍者を見ているようで、めちゃめちゃ強かったって……」
「ふーん、そういえば鈴木君、びっくりしたような顔して見てたわね」
「誘拐犯も強かったので、もし鈴木君と中村君の二人だったら、逃げられていたって……」
「そうかも知れないわね。城田は空手四段だから相当強かったわよ」
「私も江美さんの闘っているところ見たかったわ」
 里香がそう言うと、側で聴いていた店長もコーヒーを一口飲んでから、
「俺も江美ちゃんの勇姿を見たかったなぁ……」
 顎に手をあてて呟いた。
「ウチの本心はあんまり忍法を使いたくないのよ。でも世間では仕方なく使うことが多いわね。早く忍法なんて使わなくてもいい平和な時代になってほしいわ」
「へえー、江美さんは平和主義者なんですね」
 里香はちょっと以外な顔をして言った。

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