それゆけ忍者
【自作小説】幸運をまねく奇跡の仔犬と忍者のヒューマン物語
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第一章 その3
 江美は階段を駆け降りてプリントアウトした紙を店長に見せると、
「江美ちゃんおもしろそうですね。私に任せてください」
 そう言って、微笑んだ。
 一時間も経たないうちに詳しい情報と写真が返信されてきた。店長は江美を呼んで一緒に内容を読むと、
「幸運をもたらす奇跡の仔犬プロフィール、犬種:ミニチュアダックスAZ、毛色:ゴールド、性別:オス、誕生日:二○○八年二月六日、国名:フランス、父:二○○七年世界ミニチュアダックスコンテスト優勝、母:同コンテスト準優勝など……。最後に販売価格三百万円先着順」と、書かれていた。
「えッ! 三百万円」
 店長は驚いて目をむいて叫んだ。
 一方、江美は別ウインドウの画面に映っている仔犬の写真を見つめ、
「うわ……ゴールドの毛並みよ、ほんまめちゃめちゃ可愛い……」
 と、呟きながら見とれていた。
 どんべえもお坐りして画面をのぞき込むように「クーン・クーン」と、尻尾を振りながら喜んでいた。
 江美は写真をじっと見つめたまま、
「杉田店長、すぐ買ってちょうだい」
 びっくりするような大声で叫んだ。すると店長は驚いて、
「ええっ、江美ちゃん、三万円じゃないんですよ……わかっていますか?」
「もう、杉田店長はウチを馬鹿にしているの……」
「いや、馬鹿になんてとんでもございません。いいですか三百万円ですよ」
「三百万円だから、インパクトがあっていいんじゃないの?」
「それはそうですけど……今までミニチュアダックスは五〜八万円くらいで仕入れていましたから……」
「だから、どうしたの?」
「いや……この仔犬に関しては私が決済するには……ちょっと……?」
 店長は困った表情をして言った。
「杉田店長が決済できないのなら、社長に電話して相談してよ……ねえ、お願い」
 江美は大きな瞳からフェロモンでも発散しいるかのよに、店長をうっとり見つめて甘えて言った。
 店長は、江美がこんな調子で甘えて困ることを言うのは慣れていたが、今回は価格が価格だけに、社長から「何を考えているんだ」と、怒鳴られるんじゃないだろうかと、びくびくしながら電話の短縮ボタンをプッシュした。

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