それゆけ忍者
【自作小説】幸運をまねく奇跡の仔犬と忍者のヒューマン物語
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第二章 その6
「人間の場合は産まれたときから両親や祖父母がいろいろな教育をしてくれ、保育園から最終は大学まで学問やスポーツを通じていろいろな教育をしているから、人間性が磨かれると思います。しかし犬のしつけ教育は歴史が浅く、しつけをしないで成犬になった犬が無駄吠えして世間に迷惑をかけている場合も多いと思います。これからは人間と犬がより快適に暮らせるように、飼い主がしっかりしつけをする責任と義務があると思うんです。犬は大変賢い動物ですから、きっちりとしつけをすれば素晴らしい犬になるんですよ」
「里香ちゃんもなかなかいいこと言うね……関心したわ」
「もーう江美さん、からかわないでください」
 里香は口を尖らせむくれた顔をして言った。
「まあまあ……、仲がいいんですね」
 そう言った奥さまはニコニコ二笑っていた。
 里香は照れ笑いしていたが、気を取り直して話しを続けた。
「しつけの資料はご主人用もお渡しいたしますので、お二人で一読しておいてくださいね。では、今日はしつけの基本になる『お坐り』『待て』『だめ』『よし』を教えたいと思います」
「わかりました。ラッキーおいで」
 奥さまが呼ぶと、室内を走り回っていたが喜んでやって来た。奥さまが「お坐り」と言っても無視して、ただ嬉しそうに尻尾を振ってジャレるだけだった。
 それを見ていた里香が、ラッキーとアイコンタクトをとって、「お坐り」と言う瞬間にお尻を手で押さえる行為を数回くり返すと、「お坐り」ができた。頭を撫でながら誉めて褒美にビーフのおやつをあげると、ラッキーは尻尾を大きく振って大喜した。
「奥さま、ラッキーが『お坐り』をすると必ずおやつがもらえると思わないように、ときには誉めるだけにしてくださいね」
 里香は何回かその行為を繰り返しながら言った。
「わかりました」
 奥さまは感心しながら応えた。
 次は食器におやつを入れて、お坐りしているラッキーの前に「待て」と言って置くと、ラッキーは食べようとすると「だめ」と言って食器を取り上げた。それを何回か繰り返しをしていると、少し待てるようになった。
 そして、ラッキーと名前を呼んでアイコンタクトをとって「待て」ができていたら、「よし」と言っておやつを食べさせた。
「里香ちゃんの言っていることわかるのかしら? ほんとラッキーは賢いわね」
 奥さまはラッキーの頭を撫でながら満足そうに笑みを浮かべた。

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